【比較検証】3ステップで進化させる資産管理アプリ
Step 6 / 7
[総括] 自社に最適なデータソースを選ぶための判断基準
これまでのステップで検証したそれぞれのデータソースの特徴を比較し、自社にとって最適な選択基準を学びます。
比較まとめ(Excel / SharePoint / Dataverse)
資産管理アプリをサンプルにして、3種類のデータソース(Excel → SharePoint → Dataverse)を使いました。 それぞれのデータソースの特徴を、下表にまとめます。
| 項目 | Excel | SharePoint リスト | Dataverse |
|---|---|---|---|
| ライセンス要件 | 標準 | 標準 | Power Apps Premiumが必要 |
| 同時編集 | ×(ファイルロック発生) | 〇 | ◎ |
| データ量 | 数百件程度(増えるほど遅くなる) | 2,000件程度(委任問題) | 数百万件でも高速 |
| リレーション | × | △(参照列に上限あり) | 〇 |
| セキュリティ | ファイルレベル | リスト・アイテムレベル | 列(フィールド)レベル |
| 手軽さ | ◎ | 〇 | △ |
| 推奨利用シーン | 個人利用・少人数向け | 部門・チーム内向け | 全社システム、複雑な業務フロー |
最適なデータソースの選び方
① 個人や少人数で使うツール、一時的な使用: Excel
- メリット: 誰でも簡単に扱える、導入コストが低い、すぐに開発できる、メンテナンスも軽い。
- 判断基準: アプリを使うのがほぼ自分だけ、データ更新を行うのが少人数の場合。
② チーム・部門内での日常的な使用: SharePointリスト
- メリット: 標準ライセンスの範囲内で同時編集が可能、リレーションも可能、コストと機能のバランスが良い。
- 判断基準: 複数人で同時にデータ更新する業務、申請アプリ、管理アプリ。
③ 全社的な基幹システム、大量データや高度な権限管理が必要: Dataverse
- メリット: リレーションシップ、堅牢なセキュリティ、大容量データ処理、本格的なシステム構築が可能。
- 判断基準: データが数万件を超える規模、マスターテーブルが多い、複雑な論理設計、部署や役職ごとに細かなアクセス権限が必要、将来的にDynamics 365(ERPやCRM)と連携したい場合。
最後の補足
このシリーズでは、データソースの比較を取り扱っていますが、開発するアプリがPower Appsで良いかも検討が必要です。
例えば、Excelをデータソースとする場合、VBAや.NETを使う方法もあります。
Dataverseを検討する場合も、一般的なデータベース(MySQLやPostgreSQLなど)が向いている可能性もあります。
※MySQLやPostgreSQLであれば、プログラミング言語を用いたシステム開発が適切
つまり、データベースの選定はアプリ開発と強く結びついているので、「とにかく高度なものが良い」というわけではなく、解決したい業務課題と予算(ライセンス)のバランスを見極めることが重要です。
それでもPower Appsによる開発が必要であれば、まずはExcel、その次にSharePointリストといったように、小さく始めて業務プロセスを確立し、規模が拡大した段階でDataverseへ移行するというアプローチも、Power Platformならではの強みです。
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